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今と昔のメキシコ料理の違い

タコドールのメキシコ料理コラム

昔と今のメキシコ料理は 何が違う?

とうもろこしの文化から、 現代の豊かなメキシコ料理へ

タコス、モレ、ポソレ、 ケサディージャなど、 世界中で親しまれている 現在のメキシコ料理。 実はその姿は、 古代からまったく同じだった わけではありません。

まずは簡単に解説

現代のメキシコ料理は、 スペイン征服以前から続く 先住民の食文化を土台に、 ヨーロッパをはじめ 世界各地の食材や調理法が加わって 発展した料理です。

昔から食べられていた とうもろこし、豆、唐辛子、 トマト、カボチャ、カカオなどに、 後から豚肉、牛肉、鶏肉、 小麦、米、乳製品、砂糖などが加わりました。

つまり、 「昔の料理がなくなって 今の料理になった」のではなく、 古い食文化の上に 新しい食文化が重なった と考えると分かりやすいでしょう。

そもそも 「昔のメキシコ料理」とは?

ここでいう 「昔のメキシコ料理」とは、 主に1519年から始まる スペインによる征服以前の メソアメリカの食文化を指します。

ただし当時、 現在のような一つの 「メキシコ料理」が 存在したわけではありません。

アステカ、 マヤ、ミシュテカ、 サポテカ、プレペチャなど、 多くの文化や地域があり、 気候や土地によって 食べるものも異なっていました。

「古代メキシコ料理」 =「アステカ料理」 だけではありません。 現在のメキシコと同じように、 当時から地域ごとに 多様な食文化がありました。

昔から変わらない メキシコ料理の中心

昔と今をつないでいる 最も重要な食材が、 とうもろこしです。

そして、 とうもろこしとともに メキシコの食文化を支えてきたのが、 豆と唐辛子です。

  • とうもろこし
  • 唐辛子
  • カボチャ
  • トマト・トマティーヨ
  • アボカド
  • ノパル
  • カカオ
  • バニラ
  • さまざまな香草やケリーテス

これらの多くは、 現代のメキシコ料理でも 重要な食材として使われています。

「昔」と「今」をつなぐ味
サルサに使う唐辛子やトマト、 トルティーヤのとうもろこし、 フリホーレスの豆など、 現代の食卓にも 古代から続く食材が 数多く残っています。

トルティーヤは 昔から食べられていた?

はい。 とうもろこしのトルティーヤは、 スペイン人が来る以前から 食べられていました。

とうもろこしを 石灰などを加えたアルカリ性の水で 加熱・処理する 「ニシュタマリサシオン」という技術も 古くから使われています。

処理したとうもろこしを メタテと呼ばれる石の道具で挽き、 生地にしてトルティーヤや タマルなどを作りました。

現代にも残る古代の技術
ニシュタマリサシオンは、 単なる昔の調理法ではありません。 現代でも本格的なトルティーヤ作りを 支えている重要な技術です。

昔はどんな肉を 食べていた?

現在のメキシコ料理では、 豚肉、牛肉、鶏肉が とても身近です。

しかし、 これらの家畜が一般的になるのは スペイン征服以降です。

それ以前には地域に応じて、 七面鳥、鹿、ウサギなどの動物や、 魚、貝類などが食べられていました。

また、 バッタ、エスカモーレス、 マゲイワームなどの昆虫も、 古くから続く食文化のひとつです。

昆虫食は 「食べるものがなかったから」 生まれた文化と 単純に考えるべきではありません。 地域の自然環境と結びついた 食材として現在まで 受け継がれているものもあります。

スペイン人の到来で 何が変わった?

16世紀に入ると、 メキシコの食文化は 大きく変化します。

ヨーロッパや、 ヨーロッパを経由して 世界各地から、 それまでメソアメリカにはなかった 食材が入ってきました。

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豚肉だけでなく、 ラードを使った調理が広まり、 揚げる料理の発展にも 大きな影響を与えました。

牛・羊・ヤギ

新しい肉料理だけでなく、 牛乳、チーズ、クリームなど 乳製品の文化も加わりました。

小麦

パン文化が広がり、 北部では後に 小麦粉のトルティーヤも 発展していきます。

米も食卓に定着し、 現在では肉料理や メキシコ料理の付け合わせとして おなじみの存在です。

乳製品

チーズやクレマが加わり、 現在のケサディージャや エンチラーダなどにも 欠かせない存在になりました。

砂糖

サトウキビから作る砂糖が広まり、 パンや菓子、飲み物などの 食文化を大きく変えました。

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玉ねぎやニンニクも 昔からあった?

現代のメキシコ料理を見ると、 玉ねぎやニンニクは 「昔からメキシコにあった食材」 のように感じるかもしれません。

しかし、 現在よく使われる玉ねぎや ニンニク、コリアンダーなども、 スペイン征服以降に 広まった食材です。

つまり、 現代の代表的なサルサである トマト+唐辛子+玉ねぎ+ コリアンダーという組み合わせも、 異なる地域の食文化が出会った結果と 見ることができます。

ここがメキシコ料理の面白いところ
現在では「いかにもメキシコらしい」 組み合わせでも、 歴史をたどると 異なる大陸から来た食材が 一つの料理の中で 共存していることがあります。

昔と今を比べてみると?

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比較 スペイン征服以前 現代
主食 とうもろこしが中心 とうもろこしを中心に、 小麦や米も定着
代表的な食材 とうもろこし、 豆、唐辛子、 カボチャ、 トマトなど 古来の食材に加え、 世界各地の食材を使用
七面鳥、鹿、 ウサギ、魚など 豚、牛、鶏などが 広く使われる
乳製品 現在のような チーズ文化はない チーズ、クレマなどを 多くの料理に使用
油脂 現在とは異なる 調理環境 ラードや植物油で 揚げる料理も多い
甘味 果物や植物由来の 甘味など 砂糖を使った 菓子・パンも発達
基本技術 ニシュタマリサシオン、 コマル、蒸す、 煮る、直火など 古来の技術を残しつつ、 揚げる、焼くなど 調理法がさらに多様化
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現代メキシコ料理は 「スペイン料理との融合」だけではない

メキシコ料理の歴史を説明するとき、 よく 「先住民料理+スペイン料理」 と説明されます。

これは大きな流れとしては 間違いではありませんが、 実際にはもっと複雑です。

スペイン側の食文化自体にも、 地中海やアラブ世界などの 長い歴史的影響がありました。

さらに植民地時代には、 アフリカ系の人々や、 マニラ・ガレオンなどを通じた アジアとの交流もありました。

そのため現代のメキシコ料理は、 先住民文化を中心に、 世界のさまざまな食文化が 長い時間をかけて融合した料理 と考えることができます。

料理を例にすると 違いが分かりやすい

タコス

とうもろこしのトルティーヤという 古い食文化の上に、 現代では豚肉、牛肉、チーズ、 玉ねぎ、コリアンダーなど、 後から加わった食材も 組み合わされています。

ケサディージャ

トルティーヤは 古くからある食文化ですが、 「queso=チーズ」は 乳製品文化が加わった後のものです。

ポソレ

とうもろこしを使った ポソレには古い歴史があります。 現在広く使われる豚肉は 植民地時代以降に加わった食材です。

モレ

唐辛子やカカオなど メソアメリカ由来の食材に、 香辛料、ナッツ、 砂糖などさまざまな食材が重なり、 地域ごとに非常に複雑な料理へ 発展しました。

「混ざったから本物ではない」 わけではありません
食文化が混ざり、 その土地に根付いて 新しい伝統になっていくことこそ、 メキシコ料理の歴史の 大きな特徴でもあります。

昔の料理は 今も残っている?

はい。 メキシコでは現在でも、 古くから続く食材や技術が 日常の中に数多く残っています。

とうもろこしの ニシュタマリサシオン、 コマルで焼くトルティーヤ、 タマル、アトレ、 唐辛子を使ったサルサなどは、 その代表例です。

また地方へ行くと、 野草、昆虫、 地域固有のとうもろこしや豆、 昔ながらの調理道具など、 より古い食文化を見ることもできます。

つまり、 古代の食文化は 博物館の中だけにあるものではなく、 現代の家庭や市場、 食堂の中にも生き続けている のです。

現代のメキシコ料理も 変化し続けている

メキシコ料理の変化は、 植民地時代で 終わったわけではありません。

都市化や移民、 国際的な食文化との交流によって、 現在も新しい料理や 食べ方が生まれています。

一方で、 地域固有のとうもろこしや、 昔ながらの調理技術を 守ろうとする動きもあります。

2010年には、 メキシコの伝統料理が 「祖先から受け継がれ、 今も生き続ける共同体文化」として UNESCOの無形文化遺産に 登録されました。

メキシコ料理は、 「昔の料理」と 「新しい料理」に きれいに分けられるものではありません。 古いものを残しながら 新しいものを受け入れ続けている 「生きた食文化」です。

よくある質問

Q. 昔のメキシコにも タコスはありましたか?

A. とうもろこしのトルティーヤに 食べ物を合わせる文化は スペイン征服以前からありました。 ただし、 現代のタコスとまったく同じ 具材やスタイルだったとは限りません。

Q. 昔から牛肉を 食べていましたか?

A. 現在メキシコ料理で使われる 家畜としての牛は、 スペイン征服以降に 持ち込まれました。

Q. チーズは昔から ありましたか?

A. 現在のメキシコで 一般的な牛・ヤギなどの乳を使う チーズ文化は、 植民地時代以降に広まりました。

Q. 昔から変わっていない 食材は何ですか?

A. とうもろこし、豆、 唐辛子、カボチャ、 トマト、アボカド、 カカオなどは、 スペイン征服以前から 食べられてきた代表的な食材です。

Q. 現在のメキシコ料理は スペイン料理なのですか?

A. いいえ。 先住民の食文化を大きな土台として、 スペインをはじめ 世界各地から伝わった食材や技術が 長い時間をかけて融合した料理です。

歴史を知ると、 メキシコ料理はもっと面白い

目の前にある一枚のタコスにも、 古代から続くとうもろこし文化と、 後から加わった肉や香味野菜など、 数百年にわたる歴史が 詰まっています。

山梨県富士河口湖町の 「メキシカン酒場タコドール」では、 メキシコ料理のおいしさだけでなく、 その背景にある歴史や文化も お伝えしていきます。

まとめ

昔のメキシコ料理の中心には、 とうもろこし、豆、唐辛子などの メソアメリカ固有の食文化がありました。

スペイン征服以降、 豚、牛、鶏、小麦、米、 乳製品、砂糖など 世界各地の食材が加わります。

それらが昔からの 食材や技術と組み合わされ、 長い時間をかけて 現在のメキシコ料理へと 発展していきました。

だからこそ現代のメキシコ料理には、 「昔」と「今」が 同じ一皿の中に存在しています。

メキシコ料理を食べることは、 何百年、何千年と続いてきた 食文化の歴史を 味わうことでもあるのです。

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